天候状況
暖かかった冬に引き続き、初春も平年をはるかに上回る気温を記録。その暖かさに後押しされ、ぶどう畑では過去数年と比べて10日ほど早い日程で芽吹き(萌芽)が確認されました。3月末には雪まじりの寒冷前線が通過しましたが、幸いにも畑への被害はありませんでした。
その後も平年同時期の春の気温を上回る日が続きました。同時に定期的に十分な量の雨が降り、5月上旬には特に高い降水量を記録しています。
5月中旬以降は高気圧におおわれて暑く乾燥した天候が広がり、植物生育スピードも勢いづきました。ぶどうの花が咲く頃には平年と比べて12日ほど早い生育日程でした。
6月は天候に変化がありましたが、初夏を迎えた途端に熱波が観測されるようになり、7月には特に深刻な乾燥状態に陥りました。
一変して8月には何度かまとまった雨が降り、そのおかげで果実の色づき(着色)が促進され、果粒も均等に肥大化しました。
収穫を目前に控え、ぶどうは変わらず健全な衛生状態を維持。絶好の好天にも恵まれて気温も高く、いずれの品種も理想的な熟度に育ちました。2020年は記録的な早期収穫です。
シャトー・クレール・ミロンの収穫は9月9日から28日にかけて理想的天候のもとで実施。果実の品質は申し分なく、実にバランスの良いワインが誕生しています。濃密な味わい、たくましくかつ滑らかに溶け込んだタンニン、そしてとにかくみずみずしい風味が印象的なワインです。
収量はさほど多くありませんが、2020年は過去10年の中でも傑作ヴィンテージへの仲間入りが期待できそうです。
テイスティングコメント
鮮やかなチェリーレッドの外観。ガーネット色の光沢をまとっています。
濃厚なアロマが彩り豊かに香り、浸け込んだ黒果実、リコリス、スギのアロマが複雑に交じり合っています。
ビロードや絹のような滑らかさ。アタックには深みと濃さ、同時にとびきりのエレガンスが感じられます。試飲中盤には芳醇で甘美な味わいが広がり、カシスやブルーベリーが香ります。上品かつ包み込まれた織り目のタンニンとみずみずしい風味がそれらアロマの魅力をさらに引き立てます。 調和のとれた後味。余韻に残る果実のニュアンスとミネラル感がとにかく印象的です。
アッサンブラージュ 2020年ヴィンテージ
53% | カベルネ・ソーヴィニヨン |
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36,5% | メルロ |
8% | カベルネ・フラン |
2% | プティ・ヴェルド |
0,5% | カルメネール |