天候状況
冬の間はかなり雨が多く、激しい雹・霰に降られることもありました。その後に迎えた春には温暖な日が続きました。これらが2018年上半期の天候の特徴でしょうか。
3月には気温の低い日が続きましたが4月は非常に温暖で、その結果、例年より若干早めに開花を迎えました。月以降は暑く日照の豊富な日が続き、ぶどうの生育は平年より5日ほど早めの日程で進みました。
7月は湿度が極めて高く、同時に高めの気温が観測されたため、畑の衛生状態を維持するのに苦労しました。畑の長所を存分に生かすことができたのもたゆまぬ努力の賜物です。その後の3ヶ月間は暑く乾燥した天候が続き、気温が30度を超える日もときおり見られました。ベト病からの被害も完全に食い止められ、いわば絶好の栽培環境でした。
このように前半6ヶ月の天候だけを見ると豊作を期待するのは確かに難しい状況だったかもしれません。その後は記録的な日射量に恵まれ、雨量は少なかったとはいえ夏の水不足も深刻度は中程度で、最終的には素晴らしい収穫を迎えることができました。ぶどうの粒サイズは小さめですが糖度は極めて高く、十分なタンニンを含んでいます。ぶどうの生育も早めの日程で進み、夏には暑く乾燥した天候が続いたため、白ぶどうは8月末から、赤ぶどうも9月頭には収穫を迎えました。
シャトー・クレール・ミロンでは9月17からメルロの区画の収穫を実施。その後、プティ・ヴェルドおよびカルメネールの収穫は10月10日の期間に行ないました。
濃い色味とともに素晴らしいタンニン・ストラクチュアが備わっています。とにかく濃厚でなめらか。凝縮した香り。水不足が影響して生産量は少なめですが、トップクラス・ヴィンテージへの仲間入りをすでに確信させる仕上がりです。
テイスティングコメント
鮮やかな色調、深紅の光沢。
ブラックベリーを思わせる摘みたて小粒果実のノートにスミレ花のアロマが交じり合って、芳醇で風味たっぷりの香りを生み出しています。
エアレーション後にはスパイスやリコリスっぽい香りが立ち上がり、収穫時の果実の熟度の高さがうかがえます。ほのかなメンソール香が全体を引き立てています。 味わいのアタックは、濃厚かつたっぷりと芳醇。味わい中盤には、絹のようになめらかで十分なタンニン、そしてみずみずしくビロードのようになめらかな風味が広がります。同時にペッパーやビターチョコレートを思わせる香りが立ち上がり、風味のゆたかさ、調和の良さが楽しめます。
後味の魅力はバランスの素晴らしさ。長い余韻が残ります。
アッサンブラージュ 2018年ヴィンテージ
60% | カベルネ・ソーヴィニヨン |
---|---|
27% | メルロ |
9% | カベルネ・フラン |
3% | プティ・ヴェルド |
1% | カルメネール |