天候状況
冬は温暖で雨が降ることも多く、顕著な雨不足に悩まされた2022年以降、乾き切った土壌を湿らすに十分な降雨に恵まれました。心配された遅霜による被害もなく、ぶどう樹は4月初旬、順調に生育サイクルのスタートを切りました。2023年の特徴は、その記録的暑さです。日増しに気温の上昇が顕著になりました。春は暖かく、平年並みの降水量にも恵まれ、ぶどう樹の生育スピードは一層早まりました。絶好の天候のもとで、ぶどうの開花は5月末、平年より5日ほど早い日程で順調に進みました。シャトーでは1962年から気象観測データを記録していますが、2023年6月はこれまでの記録を塗り替える、観測史上最も暑い月となりました。
ぶどう樹は平年より数日早いリズムを維持したまま、良好に生長を続けました。夏真っ盛り、フランス全土は連続して熱波に襲われましたが、大西洋沿岸地域とボルドーのぶどう畑において猛暑の影響が見られたのは8月末と9月初旬の二度のみでした。なお、9月初旬の猛暑は、ぶどう収穫のスタートと重なっています。収穫期間中は安定した天候に恵まれ、暑く明るい好天と雷雨とが交互に訪れました。
ぶどう果実はこれらの天候に上手く順応しながら熟度を進め、同時に、雨のおかげで糖分の蓄積が抑えられ、果皮部分の品質も素晴らしい仕上がりです。9月最終週には夏さながらの日照に恵まれ、2023年の収穫は理想的な天候のもとで終わりを迎えています。
テイスティングコメント
深みのある赤色の外観、ガーネット色の光沢。ブルーベリーやカシスが繊細かつ上品に香り立ち、ほのかに香るスギやペッパーのニュアンスと巧みに交じり合っています。
濃密なコクを含む、極めて精緻な味わい。タンニンのストラクチャーも秀逸で上品。
複雑に重なる風味が印象的です。
濃密さと肉づきのよさを感じさせる、上質なカベルネ・ソーヴィニヨン特有のテクスチャー。
鮮やかな果実味がその美味しさをさらに際立たせています。カカオ豆やリコリスのニュアンスとともに、瑞々しい風味が後味まで続きます。
アッサンブラージュ2023年ヴィンテージ
72% | カベルネ·ソーヴィニヨン |
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19% | メルロ |
6,5% | カベルネ·フラン |
1,5% | カルメネール |
1% | プティ・ヴェルド |